八重山スタンドアップパドル協会 安全基準

はじめに

「SUP」とは、STAND UP PADDLE 又は PADDLEBOARD の略称です。
1990年代後期頃にハワイで始まった近代SUPは、2004年に競技コンテストとして初めてマカハで行われて以来、世界中でレース競技やウェーブコンテストが行われる
ようになり、日本では2012年11月に第1回「全日本SUP選手権」が開催されました。
近年、SUPは製造各メーカーが急速に Product を 増やし多彩に Line Up しています。
SUPのカテゴリーとしては、クルージング、ダウンウインド、サーフィン、エクササイズ&ヨーガ等が主に成立しています。

SUPは水上をボードに立って漕ぐ事が出来る乗り物で、水上スポーツとしては2000年以降の新しいジャンルカテゴリーです。
そしてこの八重山諸島は、このSUPゲレンデとしても最高レベルの環境です。
海、川、池、問わず水上であれば健康体の誰でもが漕げるようになる乗り物ですが、道具(ボードサイズやパドルサイズ)の不適正な使用や、突然の強風などでは漕ぐ事が困難になり、漂流したり怪我をしたりといった危険を伴う可能性がある乗り物でもあります。

自然環境下でのSUPは風や潮流、潮位の影響で危険を伴う場合があります。
状況を把握し、安全に配慮して行動してください。
初めてSUPを行う場合は、経験者と一緒に行うか的確なインストラクションを受けてください。

八重山SUP協会はインストラクター認定制度を設け、定期的に講習会を行い、八重山諸島でのSUPインストラクター育成に取り組んでいきます。

(1) 八重山の気象海象を知る

  • その日の天候・風向・風速・潮汐を調べましょう。
  • 島の沿岸では潮位120cm以上から行いましょう。
    120cm以下では浅くて危険を伴う場所が多いため、干潮時でも120cm以上の水深を保つエリアで環境負荷軽減を念頭に行いましょう。
  • 台風や前線を伴う低気圧の通過など(ニンガチカジマーイ等)は危険を伴います。
    向い風漕ぎ(アップウインド)が出来ず風下に流される危険がある場合は、漂着点を把握しておく事が重要です。

(2) プランニング

  • 天気と潮汐を調べて行動予定を立ててください。
  • 単独で行動する時は、通信手段(携帯電話等)を持ちましょう。
  • 天候状況に合わせた日焼け対策や、熱中症対策(帽子やUVカットのラッシュガード等)及び冬季は防寒対策(ウエットスーツ等)を行ってください。
  • 脱水症状や熱中症を回避するため、飲料水を携行しましょう。

(3) 安全対策と管理

  • ボードとパドルを車載する時の注意してください。
    (キャリアに搭載する場合も風向に注意して前後共にしっかりベルト固定して運搬しましょう。)
  • ボードやパドルを浜に下ろして置く場合は、風にあおられて飛ばないように
  • ノーズの低い方を風上に向けてください。その下にパドルグリップも風上側に向ける等配慮してください。
  • リーシュコードは正しく装着し、状況によってはライフベストを着用してください。
  • 出艇(パドルアウト)しようとするゲレンデの海底地形や水深と潮汐、潮流を事前確認して ください。
    パドルアウトする場合の風向と風速を事前に把握し、対応できる範囲でのみ行いましょう。
  • セルフレスキューのトレーニングをしましょう。
    再乗艇の仕方や、潮汐が低く浅い時、向かい風に対して漕ぎ上がれなくなった時などの対処法は、座り漕ぎや腹這い漕ぎも有効ですので練習しておきましょう。
  • 干潮時や浅瀬でのSUPパドリングは、センターフィンを暗礁や珊瑚岩にぶつけたり乗り上げたりして前に転倒する危険があります。
    潮位120cm以上を基準に行い、何らかの理由でそれを保てなくなった場合はドロップニーなど座り漕ぎで対応してください。
  • インフレータブルボードの場合は、バルブが緩んでないか、空気漏れはないか等の点検を心がけましょう。
  • 養殖ブイや定置網などへの近づきや進入はしないでください。
    船の航路を横断する時や近づく時には、海上衝突予防法に則り船舶などに充分注意して進路を妨げないようにしましょう。
  • 安全上SUPボードのみのレンタルは行わないようにしましょう。レンタルをする場合は、ホテル前ビーチ等、監視、管理下の元で行うか、インストラクターや地元経験者を同伴し行ってください。
  • 海上での遭難事故は118番「石垣海上保安部」に連絡しましょう。